喉から手が出るほど欲しかったこの肉体☆大人の恋愛秘密基地

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最近思うのは、ずっと果てしない昔、
次元のどこかにわたしたちのスピリットがまとまって
ウニョウニョ

存在してたんじゃないかなってこと。

もしかしたらそのウニョウニョのカタマリは
神様とか宇宙って呼ばれるものだったりとか。

ウニョウニョのわたしたちは最初は単細胞で、
気が遠くなる中ですこーしずつ発展していって、
なんとなくもっと多角的に多細胞的になっていったんじゃないかなあ。

そうすると、ウニョウニョのスピリットのままじゃ物足りなくなってくる。

そりゃあスピリットはすごく自由で何でもできて、
どこにでも行ける。
それでも、わたしたちは物足りなかった。

だって、そのころわたしたちはもう、
愛や誇りや存在への疑惑や闘志っていう
ものすごい他者への意欲が芽生えていたもの。
だけどなーんにもないことに気づいてた。
強く強く強く思っても、
もっともっと激しくありたいと思っても、
スピリットのままじゃ、ゼロ。

そうである、という事実があっても、
それが外に表現できなかったり、
到達しないことはとても狂おしくて、
わたしたちはなにか印を残したくて、
形にしたくて、
答えが欲しくて、
そして気づいて、
夢をかなえるためにこの肉体を手に入れようと思った！

わたしは思うんだ。
あなたの肉体は、
あなたのスピリットがのどから手が出るほど欲しがって、
体をくださいとお願いしてお願いして、
ようやく神様から与えられた
とてつもない強力な意欲実現のための実践的道具だと。

慈しみ抱きしめたい思いはその腕と手が実行する。
あなたの眼は愛する人の形を映し出し、
その鼻は生きてる匂いを感じることができる。
しっとりとしたベルベットのような声で空気は震え、
命の種は肉体の内部へと流し込まれる。

顔の筋肉はあなたの感情をかたちにするし、
震動の大小はその強さを伝え、
歩幅は勢いを表し、
肌は温度で濡れ、
生み出された液体は頬を伝う。

それは全部、わたしたちが太古の昔、
のどから手が出るほど欲しかったものだ。

スピリットは、
抱きしめるために、
愛するために、
もっともっと表現するために、
ベクトルの先に行くためにこの肉体を欲しがった！

そう、あなたの肉体は、
あなたのスピリットがやりたいことを実践するためにあるってこと。

たとえば会社に行って好きな人がそこにいたら、
あなたのスピリットはきっと、
この人が大好き、もっと見たい、
声を聴きたいと思うでしょう。

そしたらあなたのスピリットは
肉体を操縦して「おはよう」って喋らせて、
顔の筋肉を動かして笑顔を作るの。

もちろんトレーニングがいる。
鏡を見て、何回も何回も顔や口の筋肉を動かす練習がいる。

わたしたちは、のどから手が出るほど欲しかった
この目的達成の道具をもって生まれてきた。

方法があるってなんてうれしいこと！

年老いるだろう、欠損するかもしれない。
使えないところだってある。

肉体がある短い時間、
欲しくて欲しくてたまらなかったこの道具を使おうよ。

使えるって。
だって欲しくてたまらなかったじゃん！
欲しかったときのこと思い出そうよ！

みんな忘れてるんだよ。
体を持った人間は、それがすごく欲しかったもので、
スピリットを実行するために手に入れようとしたってこと。

肉体があるから時間に縛られ距離に縛られ、
人間関係に縛られ、
組織や社会のシステムや人の評判に縛られてしまって、
スピリットが一体何を考えていたのかをすっかり忘れてる。

今のままだったら声と引き換えに足をもらった人魚姫だ。

ようやく手に入れた肉体を使うのはすごく痛くて、
不自由で制限があって。

だけど、人魚姫はその足であの人の側に行ける！

思い出して、そしてその肉体が割と上手に使えるうちにもっと動かして。

スピリットが肉体から追い越されないように。

スピリチュアルなものがブームだったり、
好きだったりするのは当たり前。
その喜びはみんな知ってるもん。
だけどこの世は龍から生まれ変わっただけでは生きていけない。

スピリチュアルなものに触れて癒しが必要なのは、
肉体をおりこうさんに動かすためよ。

だいじょうぶ。あなたの肉体は清潔で、活用できる。

そしてわたしたちはけっして海の泡になったりしない。

だいじょうぶだから。

※この記事は2015年にアヴァンティコラムに掲載されたものを加筆修正したものです。