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売られてないのに買ってしまっただよ

明日、友達の結婚式なのですよ。
んで、わたしってば着物着ちゃうのです。
着物ですよきもの。わ・ふ・く。

そこそこ着るほうではあるけれど、それでも6年くらい着ていない。
しかもこれまでは着物の手入れを実家の親に任せていたために、
何一つ着物のことがわからない。

この着物ならこのくらいの格式の帯よねぇ、とか、
いや、この柄だとこういう色じゃないと・・・あら?これ夏物じゃないと?
帯どこにあるとやろか? もうなにがなんだかさっぱり。

とにかく帯揚げ(←着物の部品)だけでも買いに行こう、
ということで親と行きましたよ。

近所の西友に。

西友の呉服屋さんの店頭で立ち止まったとたん、
やってきましたおばちゃんが。
「いらっしゃいませ。よく着物お召しになるんですね?

「ええ、まあ・・・(~_~;)(え、なんでこのおばちゃんそんなこと知ってるの?)」
断っておきますが。私は決して着物をよく着る人ではありません。

「このお着物はね、お稽古なんかのときに着るやつで、
洗濯機で洗えるんですよ。」

「え~!洗濯機で!そしたら楽ですね。」
だから、私は決して着物をよく着る人ではありません。
洗濯機で洗えようが洗い張りだろうが、どうでもいいくらいに着ないのですよ。

「良いお着物はね、発表会なんかのときに着て、
普段はこういうのを着られるといいんですよ。
ほら、こうやって、飾り衿とか半襟の色を変えると
すこしおしゃれになるでしょう?」

「ほんとだ、そうやって着るんですね。実は明日結婚式で、
半襟を探してるんです。」
もうここらですでに術中にはまってます。
着物の知識に飢えている私は、
このおばちゃんと話したくて話したくてたまらん。

 「あら、半襟ね。ちょうど良かった。こちらにたくさんありますよ。
どういったときにお召しになるの?」

「ええ、実は明日結婚式で、すこしカジュアルだけどおしゃれに着たいんです。」
もうここらで身も心もおばちゃんにささげる気持ち。

お着物はどんな色?カジュアルに粋にするなら、ほら、こんな感じでね。」

「かわいいですね。頭の中にあるイメージとぴったり。」
このおばちゃんただものじゃない。私の頭のなかを読んでいる!

「それから、帯止めと帯揚げも欲しいんです。」

「あらそしたら、こういう感じでこれとこれをあわせてね・・・」

以下ずっと続く。

もうあきまへん。
おばちゃんの術にはまり、結局のところ半襟と帯止めと帯揚げを買い、
さらにはその呉服屋さんで、明日の朝の着付けまで頼んでしまいました。

でもこれは、わたしが上るステップ1。
半襟と帯止めと帯揚げ3つ買っても、3000円くらいのやつ。
着物の着付けは無料でやってもらえる。

美容院頼むより安く済んだ、なんて思ってしまっている私。
さらにすごいことには、おばちゃんは、
私達親子に「すばらしく親切で、着物の知識が豊富で、着付けのセンスが良い。」
と思わせることに成功しています。

ステップ2.さらにさらに、おばちゃんとの話で、
私はすっかり着物を将来にわたって着るつもりになっており、
親が奥深くにしまおうとしている着物を、
「それ着るけん片付けんどって。」←まだ親に任せるつもりか。
とか言わせることに成功しています。

近い将来着物を着るときには、
私はきっとそのお店で帯とか何とか買うでしょう。

絶対買う。

ステップ3. さらには将来、子どもの七五三とか成人式とか、
そのときの着物もそこであつらえるかもしれません。
いーや、きっとそうする。

普段なら、見向きもしない呉服屋さん。
きっとおばちゃんも冴えてる人なんだろう。

でも、普段と今日とでは決定的に違うことがあったんです。
それは私の状態。
何度も言うけどあした結婚式なんだってば。
そ、つまり、 お客さん(私)に、
問題を解決しなければならない期限があったってことなんです。

期限があると、欲求に必要性がくっついてくる。

「欲しい」が
○月○日までに「買わなければならない」に変わってしまうのです。

逆に考えると、ターゲットのお客さまを、
期限ある問題を抱えている人に絞ると簡単に売ることができる、
というわけ。

私がカンタンに買ったように、
あなたの商品も簡単にポンと買ってくれる人が必ずいるのですよ。